夢を正夢にする夢

(③)もし、寝不足だったら・・・



「朝っぱらから、良く寝てたわねー…岬っちゃんたら…」

顔を上げたら、響加が目の前にいた。

長い黒髪が、さわさわと風に揺れている様に、軽く見とれる私。

あ、ありゃ…? いつの間に授業が終ったんだろう…

ま、いいけどね…楠木、今日も休み、みたいだし? 別に、授業はついていけてるしさ。

大きく大きくあくびをする私。



ねぇ…

寝・・・

「眠れなかったんだよぉおぉうっ」

響加にすがるように、私はうなだれる。

あぁっもうっ。

嘆いちゃうわよ!!!

机の上で顔をごろごろ擦りつけたりだってしちゃうわよ!

この時期って、5時頃からもう明るい。

朝日はちゅんちゅんうるさいしぃ…

・・・・・・って、朝日が鳴くわけゃないぢゃないっ。

えー・・・スズメだスズメw

スズメがちゅんちゅんって…私が泣きたいわよ…

「全っ然寝れなかったの?」

机の上に顔をくっつけてふて腐れている私に、響加は大きな目を大きく開いて私を見る。

「少しは寝れたけど…さ…7時ぐらいから…とか、バスの中とか…」

「そう、岬っちゃんならプレッシャーかけても眠って夢見れるかと思っていたのだけど…」

「・・・プ、プレッシャーだったのか、アレ………寝よう寝よう~てやる気満々だったからなぁ・・・一応」

やっぱり楠木が出てきた夢の続きを見たくて…

にやにやしてたら、寝れなくなっちゃって…

ふぅ…眠たい。

「じゃあ、今日はずっと眠たいかな? 折角…」

そこで、響加は声を落として、私の耳元で囁く。

「生の楠木君が久々に来るっていうのにね…」



ドキっ☆

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