夢を正夢にする夢

(⑤)だって、余りにも眠くて…



高い…

足が竦んでしまった私は、必死にコレにしがみついていた。

これ…

これは…

多分…

鷹だと思う。

でも、凄く大きい。

凄く大きくて、首にしがみ付こうにも、両手が回らないほど大きい。

羽も凄く大きくて、でも、バタバタしてないのよ。

すーーーーと風に乗って、風はとても気持ちが良かった。

でも、あまりの上空で…

下を見ると、とても、とても高くて…

凄く高くて…

私はぎゅっと目を閉じていた。


「・・・??」


何これ??

何か凄く焦げ臭くない??

私は、余りの臭いに目を開けた。


もくもくもく

もくもくと、ちょっと黒っぽい煙が立ち込めていた。


恐る恐る下を見る。


「何コレ!?!?」


余りの惨劇に、私はすごっく悲しくなる。

だって…

これ…


「火事?? それにしては…」


大きすぎる。

どこまで続いているんだろ…

煙が凄くて、よく遠くの方が見えない…。

何が燃えていたのかな??

燃えカスというか、もう灰ばっかりで、何も見えない。

ただ、燃えた跡の形跡があるだけ…



私は、この大きな鷹に捕まっているだけだけど…

この鷹は、ここに居たいのかなぁ??

ずっと、この煙の中を飛び続けていた。
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