魔女の報酬3~封呪の守り人~
侍従長が顔を覗かせた。
白い髪に白い髭。
謹厳実直を絵に描いたような壮年の彼を見て、ロランツはしかたなくメディアを解放する。彼は何かと男女関係にうるさいのだ。
お仲がおよろしいのはよいが、ご結婚までは節度を守ったおつき合いをとか。
メディアと婚約する前は、どうにかしてどこぞの令嬢を押しつけようと必死だったのが、嘘のようだ。
しかし、節度を守るもなにも、こっちはまだメディアの心をつかみきっているわけではない。せっかく、ここまで距離を縮めてきたのだ。下手に手を出して嫌われてしまう気は毛頭ない。
解放されたとたん、メディアはロランツの手が、すぐには届かないところまで、後ずさっていってしまう。
そこまで警戒せずともいいだろうにと恨めしげに思いながらも、彼は侍従長に目を向けた。不本意ながら声が尖るのを隠しきれない。
「何か用ですか」
「妹君が……」
彼はろくに最後まで言い終わることが出来なかった。なぜなら背後から突き飛ばされたからだった。
白い髪に白い髭。
謹厳実直を絵に描いたような壮年の彼を見て、ロランツはしかたなくメディアを解放する。彼は何かと男女関係にうるさいのだ。
お仲がおよろしいのはよいが、ご結婚までは節度を守ったおつき合いをとか。
メディアと婚約する前は、どうにかしてどこぞの令嬢を押しつけようと必死だったのが、嘘のようだ。
しかし、節度を守るもなにも、こっちはまだメディアの心をつかみきっているわけではない。せっかく、ここまで距離を縮めてきたのだ。下手に手を出して嫌われてしまう気は毛頭ない。
解放されたとたん、メディアはロランツの手が、すぐには届かないところまで、後ずさっていってしまう。
そこまで警戒せずともいいだろうにと恨めしげに思いながらも、彼は侍従長に目を向けた。不本意ながら声が尖るのを隠しきれない。
「何か用ですか」
「妹君が……」
彼はろくに最後まで言い終わることが出来なかった。なぜなら背後から突き飛ばされたからだった。