deepdeepdeep 夜の帝王との秘密な関係 ~わたしは生徒で、彼は先生で~

気持ちを落ち着かせたかった。

ため息がこぼれる。

それでも抑えきれない苛立ちは聖也に向けられる。



 「深海、言わないとわからないか? 」

いつにも増してきつい口調。


口に出さなくてもわかってくれていると思っていた。


聖也の目から流れ落ちる涙。

俺は息を飲む。
きつく言いすぎた。

わかっている。


聖也は、その場にしゃがみこんだ。



男が聖也に手を伸ばす。





 「触るな!!」

限界だった。
聖也は俺の女だ!!

触るな!!

声を大にして叫びたかった。


一瞬で、時間が止まった。













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