月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
私服&制服の捜査員に鑑識課員、地元の消防団らしき人間も7・8人いる。

あわせて20人ぐらいの人間が、現場検証や遺留品の捜索にあたっていた。

あたしはまたコイツのせいかしらんなどと、隣であくびをかみ殺している従兄弟を見た。

「実は先々週、同様の事件がありましてね」

「事件?」

「ここから50mほど入ったところに、マネキン人形が不法投棄されていたんです」

北島警視は県道脇の林の中を指さした。

「マネキンの数は20体ほどありましてね、悪質な不法投棄ということで、捜査を進めていたところだったんですよ」

なるほど、そういうことか。

まぁ司法VIPが発見者だからって捜査を入念にやるわけないもんね。

「この道路は往来が少ないんですか」

達郎が口を開いた。

「いえ、そんなことはないです。お二人がマネキンを見つけたのは午前7時過ぎでしたか」

北島警視は手帳を開いて確認した。

「その時間になれば、車はだいぶ増えてきます」

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