月と太陽の事件簿15/人形はなぜ捨てられる
達郎は唇を尖らせながらうなずいた。
「で、林写真館の件については?」
「そっちも認めてるわ。店の写真に気付いた日の夜中に、店頭のガラスを割って写真を破り捨てたそうよ」
乱暴なやり方とは思ったが、他に方法が思いつかなかったと夫妻は供述している。
「よっぽど切羽詰まってたのかしらね」
「罪の意識もあったんだろうな」
頬杖をついたまま、達郎はぶっきらぼうにそう言った。
「なんせ金のために父親の死をねじ曲げたんだからな」
「それなんだけどね」
あたしは北島警視から渡された捜査資料のコピーを取り出した。
「鳥海広義の遺書が見つかったのよ」
「遺書?」
その遺書は、首を吊った広義の傍らに置かれていたという。
「夫妻が隠しておいたのを、捜査当局に提出したのよ」
「遺書ってからには自殺をほのめかす内容だったんだろ」
「その通りなんだけど、ちょっと普通の遺書とは毛色が違っててさ…」
「で、林写真館の件については?」
「そっちも認めてるわ。店の写真に気付いた日の夜中に、店頭のガラスを割って写真を破り捨てたそうよ」
乱暴なやり方とは思ったが、他に方法が思いつかなかったと夫妻は供述している。
「よっぽど切羽詰まってたのかしらね」
「罪の意識もあったんだろうな」
頬杖をついたまま、達郎はぶっきらぼうにそう言った。
「なんせ金のために父親の死をねじ曲げたんだからな」
「それなんだけどね」
あたしは北島警視から渡された捜査資料のコピーを取り出した。
「鳥海広義の遺書が見つかったのよ」
「遺書?」
その遺書は、首を吊った広義の傍らに置かれていたという。
「夫妻が隠しておいたのを、捜査当局に提出したのよ」
「遺書ってからには自殺をほのめかす内容だったんだろ」
「その通りなんだけど、ちょっと普通の遺書とは毛色が違っててさ…」