その瞳に映して。~先生に恋した私の恋愛日記~
カラオケまでの道は翔と自転車で2人乗りをして向かう。

2人乗りした時の翔の背中が温かくて、大きくて・・・小学生の頃とは違うんだなぁって感じるんだ。見た目は小さいのに、意外に大きい背中に、私の胸はまたときめいてしまう。


「うぃ~着いた!はいろー!」

「ほ~い♪」

いつものカラオケ店。
ここの店長とは顔馴染みで、小学生の時でも中にこっそり入れてくれたっけ。

「はぁ~い!12号室になります」

私はいつも見慣れた12号室しか選ばない。翔との思い出はたくさんつまってるから。

「繭~最初はこれだよな?」

「そう!」


私が翔と来たらまず始めに歌うのが、aikoのボーイフレンド。
翔がaiko好きって言ってくれた時すごい嬉しかった。

「んぢゃ、オレも歌おう♪」

そして翔は歌うのは、ファンキーモンキーベイビーズ。何の曲かまでは決まっていないけど、始めに歌うのはファンモンしかないんだぁ。


こんな些細な出来事や習慣が私達の仲を深くしたのかもね。


私達はカラオケ店を出て、海へ行こうとした。

そしたら、後ろで大きい音でクラクションが鳴らされたんだ。
慌てて2人で後ろを見ると、黒い車から手を出している人がいた。

すかさず翔は車から私を守ってくれた。こんな気遣いが大好きだ。

「うるせーなぁ・・・誰だ?」

その声が聞こえていたのか、窓からひょいって顔出した人がいた。その人は私達が良く知ってる大好きな人だった。

「よぉ♪ラブラブカップルさん!今から何処行くんでちゅかぁ?」

「げっ!直ぴーかよ!せっかくのデート邪魔すんなよなぁ!

私・・・この時先生の赤ちゃん言葉聞いてかわいいって思っちゃったんだ。先生をかわいいって思うとか、終わってるよね・・・・。

「何処行くんだよ?乗せてくか?」

「マジ?ラッキー♪繭乗ろう!前直ぴーの車乗ってみたいって言ってたじゃん!」

「よしっ!んぢゃ・・・後ろに座れー」

先生の車は、私の好きな香りがした。
ハンドルゎ白と黒のモザイクみたいにかっこよくなっていて、助手席の頭の部分には、女の人が被るようなカンカン帽が飾ってあった。

【先生って彼女いるのかな?】この時頭にこんな疑問が出てきたんだ。
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