先生の天使
綾香は思いついたように言った。

「ねぇ、裕二君」
「ん?」

上を指差して

「写真撮ってみない?」

裕二には綾香の言いたいことが分からなかった。

「かをりちゃん、写らないかな?」

裕二は考えこんでしばらくして「やってみようか」と言ってカメラを天井に向けた。

部屋のあちこちを撮っていく。

「このくらいかな」

「うん、かをりちゃん、移ってるかな?」

2人ともどこかわくわくとパソコンの画面を見た。
しかしどの写真にもかをりの幽霊は写ってなかった。

「…そう簡単には写らないのかな?」

「綾香って幽霊信じる派?」

「うん、どっちかというと信じる派」

「そうだよな。信じるもなにも平沢が俺を助けてくれたしな」

「そうでしょ?」

綾香は上を向いていった。

「もう一回かをりちゃん会いたかったな」

裕二もうん、と相槌をうった。
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