先生の天使
井の頭動物園は思った以上にのんびりしていた。

「ヤギが寝てる」

低い塀の中でのんびりすぎるヤギに驚いた。

「な~?撮りやすいだろ~?」

裕二はもう撮影を始めてた。

「綾香も好きなところから撮ってみ?」

言われて綾香はどうしようか悩み、顔の見れるヤギを探して撮った。

「あっ!」

「どした?」

「ズームにするの忘れたよ。」

裕二はプッと笑う。綾香は見逃さなかった。


「今笑った?」

「う…ううん」

しかし肩が揺れている。

綾香は裕二の方にスタスタと歩いてきて裕二の足を踏んだ。


「いって~」

言いながら裕二はまだ笑っている。

「やっぱり綾香は一眼は無理だって」

「知らない!」

綾香はスタスタと行ってしまう。

「あ!象さんだ!」

そこにはのんびりとお食事中の象がいた。

綾香は早速カメラを「ズーム」にして撮った。

「可愛いな~」

裕二も撮り始める。

「ちゃんとズームして撮ったよ」

と勝ち誇った綾香に裕二の肩がまた揺れた。
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