異世界プリンセス
「ん…」

…アレ?
ウチってこんな天井だっけ?

綺麗…。

天井から垂れ下がる、淡いピンクの薄布に手を伸ばす。

それはベッドの全体を覆っていて――…ってコレ、乙女の憧れ、天蓋付ベッドじゃない!?

がばちょ!!

半身起こしたあたしの視界に広がる、豪華な部屋。

ゆ、夢でも見てるのかな???

「目が覚めたか」
「!」

声の方を振り向くと、そこには、深い海の色をした髪の、王子様と言わんばかりの服装の青年がっ!!

「え?あ、あなたは…?」
「オレはスタッド。
ナイトリバー王国の王子だ」
「王子様っ!?」

だよねー!
そんな出で立ちですもの!

「お前の名は?」
「あああ天ノ河流々子…」

キョドッて名乗る事すら、ままならない、あたし。

「アアアアマノガワルルコ?
長いな。
略してアルコで」
「略すなぁっ!」

あ、しまった。ついツッコミを。

「言葉遣いが成っていないな。
それでもオレの妃となる女か?」

――え?
今なんとおっしゃいました???

「そんなマヌケな顔をするな。
オレだって、お前のような女が、運命の相手として召喚されて、大いにショックを受けているのだ」
< 2 / 19 >

この作品をシェア

pagetop