イケナイ関係。
2人で一緒にイった後、あたしはしばらく幹にしがみついたままでいた。

・・・長い沈黙を破ったのは幹の方だった。
「十和。そろそろ帰んねーとまずいだろ。こないだも帰らなかったんだし。送っていくわ。」

そう言ってあたしを見つめる幹。その視線にとろけてしまいそう。
「あたし・・・まだ帰りたくないんだけど。」
「何言ってんだよ。わがまま言ってんなよ。ほら。送ってやるから。」
そう言って幹は服を着始めた。

やだ・・・まだ幹のそばにいたいよ・・・。なんでわかってくれないの?


「嫌っ・・・あたし今日は帰んない!!」
「・・・。ほら早く服着ろって。」
「無視しないでよっ!!ねえ!幹はあたしの体だけが目当てなのっ!?ヤるだけヤれたらすぐ帰そうとするんでしょ!?なんでよっ!あたしのこともっと考えてよっ!!!」
「・・・・・・・・・。」


気付いたときにはもう遅かった。
幹は怒った顔であたしを睨みつけていた。

・・・やっちゃった・・・。
あたしのいつものクセ。幹を怒らせることばっかり言っちゃう・・・。



「・・・セフレなんだから当たり前だろ。」



その言葉にあたしは凍りついた。
幹は吐き捨てるようにそう言うと固まっているあたしを抱きかかえて車に乗せた。
あたしは気付いたら家のベッドに寝かされていた。


あたし・・・バカだなあ・・・好きな人怒らせてばっかりいるんだ・・・。こんな強情っぱりな女なんか誰が好きになるんだよ・・・。ばーか・・・ばーか。幹のばーか・・・違う。バカなのはあたしなんだね。ほんとに・・・・・・・バカ。

気付いたら泣いていた。

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