イケナイ関係。
募る思い
あたしは教室に入ってもずーっとそのことばかり考えていた。


幹に会いたい・・・でもタケちゃんがせっかく誘ってくれたのに・・・。あたしはどうしたらいんだろ・・・。



あたしのおかしな様子に気付き、また亜美が話しかけてくれた。
「十和。そんないっつも1人で悩んでないでうちにも相談してよ?」
「うん・・・。ありがと亜美。落ち着いたら・・・ちゃんと話すから。」

あたしは次の授業は移動教室だったので亜美と2人で科学室へ向かっていた。
科学室は4階にあって、4階には・・・3年生の教室があった。


幹・・・いるかな?


自然と目が幹を探してる。


あたしは廊下に女の子達が集まって騒いでるいるのを見つけた。
「キャー!!カッコいいッ♡」
「ねえほんとに彼女いないのぉー?」
その女の子達の中心にいたのは・・・紛れもなく幹だった。



えっ・・・幹・・・。やっぱしモテるんだよなあ・・・。こんな年下でガキなあたしなんか相手にするわけないよね・・。所詮あたしはセフレなんだし。



幹はあたしの存在にも気付かないように笑っている。
あたしは幹の方をずっと見つめたまま・・・。


あたしが幹の横を通り過ぎる瞬間幹があたしに気付いた。
目が合う・・・。気まずいよお・・・。

あたしはどうしていいかわからなくなって目をそらした。
すると幹は笑顔であたしに笑いかけた。

「よっ。」
手をあげてそれだけ言った。

その笑顔がすっごいカッコよくて・・・すっごい愛らしくて・・・すっごい可愛くて・・・あたしもつられて笑った。
そして軽く頭を下げて科学室に入った。
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