50代のビキニ

その2

中に入ると、本当にこじんまりしていた

細長い感じ。
これまた黒っぽいゴシック調の2人掛けのテーブル3脚とカウンター。8人も入れば一杯だ。
せまいけど隠れ家みたいで落ち着く。


冬の昼下がり。
お客は誰もいない。

色黒の顔、ショートカット。ボイッシュなママが慌ててタバコの火を消しながら


「いらっしやいませ!」 ハスキーな声で迎えてくれた。

えくぼがとても親しみやすかった。
38才くらいかな。

私はなんだか安心して「あの、私、喫茶店をやりたいのです。それで色々お話を聞きたいなぁと思って…。」
「あら、そうなの。」ママ、笑顔。
なんだか、すぐに打ち解けてしまった私。

すっかり彼女と、このお店が好きになった。

ほとんど毎日、仕事の帰りに立ち寄る常連さんになってしまった。


そんなある日。
私は仕事が休みなので朝から、ママの喫茶店に出かけた。


「あら、丁度良いところに来てくれたわ。 サンドイッチ用のパンがきれていたの。買ってくるから、プーちゃん悪いけど留守番しといてくれないかなぁー。こんな時間帯だからお客さんも来ないと思うし。」

「いいですよ!」

私は簡単に引き受けた。


なのに


来たー!

お客さんが来たのである。



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