青春の風
青春の風
 
その日から一ヶ月後、青空先輩は病室のベットの上で短い人生の幕を下ろした。



夏休みに入って一週間後のことだった。



連絡を貰って駆けつけた時には、もう青空先輩は病室のベットではなく、霊安室に運ばれていた。



「みなさんに、ありがとうと伝えて欲しいって……。俺の人生は短かったけれど、とても楽しかったと……」



青空先輩の遺体の横で、お母さんが涙を流しそう言うと、咲良先輩が声を上げて泣いた。



「月夜ぁっ……」



白い布に覆われる、青空先輩に縋って泣く咲良先輩の横には、琥太郎先輩がずっとついていた。



いつも笑顔で笑っていた人の死は、あまりに残酷な現実だった。
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