青春の風
「そうだよな、俺なんかそれ以外思い浮かばねえだけってなのもあるし。色々考えられるやつとか羨ましいな」
その言葉に奈美ちゃんが、少しホッとしたように笑う。
「よし、奈美君頑張れ。どれになっても君は君だっ! 優しいピアノの先生でも、キャリアウーマンでも、真面目な公務員でも、どんな時も奈美君のままで頑張ればいいっ!」
声が……。
まあもういいけど。
それいちいち言わないといけないの?
なんだか諭すような言葉掛けないと気が済まないわけ?
「お前は?」
隣の樹先輩が不意に私を見て聞く。