カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「カクテルのオレンジ・ブロッサムもそれにちなんで結婚式の食前酒として出されるし、人気もあるんだ。」


私がうっとりとサトシくんの話に聞き入っていると、サトシくんは私からひょいっと本を取った。


「まぁ、二宮にオレンジの花が似合うかは別問題だけどな。」


「なっ…ひどい!」 


ニヤニヤ笑うサトシくんを、私はキッと睨んだ。


「そう本気になるなって。」


サトシくんはプッと吹き出して笑った。


サトシくん、笑うととても優しそうなのになぁ‥。


私はそんなことを考えながら、顔がゆるむのを一生懸命我慢した。
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