カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「‥で?なんで仕事まで辞めちゃったわけ?」


彼氏に振られて二週間が経った頃。


私が突然仕事を辞めたという噂を聞き付けた、違う部署で働く同期の羽山美咲と会っていた。


目鼻立ちの整った美咲のキレイな顔は、不満そうに歪んでいた。


「‥だって、健司の新しい彼女が同じ部署で‥。」


私の言い訳に美咲の顔がさらに歪む。


私は美咲の目を見ることができなくて、冷めたコーヒーをスプーンでかき混ぜた。
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