どこまでも、蒼く


信じたくなんてなかった。
信じられないと思った。


誰だって信じたくないはずだ。


紘人─…、
俺も涙が流れそうだよ。

俺は抜け殻のまま落とした手紙を拾い、それを鞄の中に入れた。
そしてローファーを履き、千夏との待ち合わせの校門へと行こうとしたとき…


神様は俺に悪戯を仕掛けた。


校門へ行こうとし、歩き出した時、俺は見つけてしまったのだ。

それは足元に落ちていた生徒手帳。
この学年色は、三年生だ。
つまり俺と同じ年ということ。

俺はそれを何気なく拾い上げてしまう。


この行為が破滅への第一歩だった─…



『誰のだ?』


真新しい生徒手帳。
俺は中を広げて名前を確認する。


名前の欄に書かれていた文字は…

俺の心を動かすような文字で…。


『…陽菜…』


蒼井陽菜と書かれた生徒手帳。


ここまでは良かったんだ。


パラパラと生徒手帳を捲っていく俺。

なにも書かれていない生徒手帳。


だけどある場所で手の動きは止まった。



なぜならば、
生徒手帳にはある人の切り抜きが入っていたから…


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