王子と姫が出会いました。
女と女の隙間からチラッと見えた姫は困った顔をしてた。



「姫」

「あっ、王子君!!」



俺は姫と話したくて来た。



お前らはどうでもいい。



「王子君って噂通りだね~!!」

「今日うちらと遊びに行かない?」

「瑞紀君もいいけどやっぱり王子君だね~」



うるせぇ。



俺は姫に会いに来たんだっつーの!!



腕を組むな!!



「うっ」

「うるさいよ、あんたら」



俺の言葉を遮ったのは姫の後ろの席のヤツだった。



長い黒髪にキリッとした目。



年上に見える…。



「天野さんもはっきり言いなよ」

「あっ…でも…」



キレイなヤツだと思った。



もちろん、姫には到底敵わないが。



「なんなのあんた。関係ないじゃん」

「その関係ないヤツの迷惑になってるっつってんだよ」

「はぁ?お前生意気」



女って怖いな…。



姫が動揺しまくってんじゃん…。



「うるせんだよお前ら。俺は姫に会いに来ただけ」



そう言ったらすげぇ悔しそうに睨まれた。



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