王子と姫が出会いました。
撮影が始まっても王子君は無表情。



夏なのにニットを着てるあたしは王子君の真面目な視線にやられてしまい、顔が暑い…。



副社長がなにかを指示し、王子君がこなす。



文句言わないんだ…。



教育しなおされた?



なんかやっぱり別人みたい…。



「マリアちゃん、シキ君ばっかり見ないでこっち見てくれる?カッコイイのもわかるけど」

「あっ、ごめんなさい…」

「でもイイ顔するね~。カワイイよ」



気になった王子君から視線を外し、カメラを見つめた。



前みたいに緊張しないのは王子君が気になるからかな…。



休憩の間も王子君は副社長に張り付き、会話すらできない…。



大人っぽい…。



帰りは一緒だと思い込んでた…。



「まだやることあるから。どっちに帰る?」

「じゃあ…王子君のお家…」

「カギ渡しとく。リュウさん、安全運転でお願いします」



優しい王子君に変わりはないんだけど…。



やっぱり違う人です…。



< 460 / 701 >

この作品をシェア

pagetop