王子と姫が出会いました。
ゆっくりデートでも
【王子】



副社長が来てから1ヵ月。



正社員のように働かされた俺の給料日…。



「こんなにっ…」

「副社長からの言付けです。お前、日本人だからお盆は休ませてやると」

「本当ですかっ!!」

「その前にパーティに出席なされてくださいね」

「かしこまりましたっ!!休みのために頑張らせていただきます!!」



休みだ休み…。



頭の中が仕事のことでいっぱいの俺。



厳しい副社長、ライアンのおかげで姫に触れる時間なんか全くない。



今はライアンが会議中で、俺はリュウさんと雑務をこなす。



「リュウさん、この前姫とご飯行きました?」

「えぇ。なにか?」

「なんか楽しかったみたいで、久しぶりに笑顔見た気がしたから。よければまた連れてってやってください」

「プライベートに口出しは無用です。それより、溜まった仕事を片付けましょう」



そうした方が先決だな…。



ライアンに怒られる前に…。



よし、リュウさんを見習おう。



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