王子と姫が出会いました。
忘れる
【王子】



傷つくのがイヤで姫を突き放す。



これ以上姫に傷付けられたら…俺は壊れてしまうかもしれない…。



「王子、友達できた!!」

「よかったじゃん。次は彼氏でも見つけろな?」

「失恋の傷は深いんです~」



ナツカはやっと友達ができた。



ホッとしてるけど胸の中はずっとイライラが溜まったまま…。



苦しいのはイヤだ。



「王子が天野さんと別れたのってあたしが原因?」

「ん~、それも含めいろいろな…」

「もう諦めたって言って来ようか?」

「やめろ。余計なことすんな」

「王子が傷つく姿はあんまり見たくないんですけど~」



もうイヤなんだ…。



大事に大事に思ってたヤツに傷付けられんのは…。



「ほら、授業始まる」

「うん、平気?」

「あぁ…。親父さんの手術、俺も行っていいか?」

「王子がいてくれたら心強い!!ありがと!!」



友達として、辛い時にそばにいてくれた恩を返したいと思ったから…。



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