わがままなメニュー
パーティーが終わり、行ったバーはジャズが流れる大人のバーだった


『ホントは親父の行きつけなんだけどね』


『直田さん、おいくつなんですか?』


『俺25。親父が大学生の時の子供なんだ。若くてカッコイイ親父で昔から自慢だったな…』


『今は?』


『今はライバルって感じ。女の好みも同じだしさ…』


『部長モテそうですもんね』


『親父のほうが気になる?』


『気になるとかじゃなくて、仕事ですごく認めてくれるし、応援してくれる上司だから…』


『花乃子さんって年いくつ?』


『26よ』


『年上なんだ。俺年上大好き。付き合う人は皆年上だよ』


『1つだけじゃないですか』


『それはそうだけど…落ち着いてるし、貫禄あるよ。男にフラれたことないだろ?』


『ありますよ…つい最近フラれました』


『マジで!君フル人なんているわけ?』


『結婚したくないっていったらフラれました』


『何それ』と直田さんは笑った


『結婚しないで付き合っていきたいって言ったんですよ…わがままな主張ですよね』


『そりゃ自己チューだな。わがままもいいとこだ』


『わかってるんです。自分のそういうとこ…でも抑えられなくて』


『なんで結婚したくないの?』


『仕事優先にしたいからです』


私はジントニックを飲み干した
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