あたしと彼と白いキャンバス
一緒にパンを頬張りながら、どうでもいい話をする。

昨日見たテレビとか、
先輩がハマってる漫画とか。

そういう当たり障りのない話を。



本当に気になる話題は避けつつ自然に会話するように努める、なんて芸当をふたりでこなしていた。




「あ、そーだ。お前知らないだろ。学校来んのおせーから」

「なにがですか?」

「今朝さー、校庭に割れた風船が何個か落ちてたんだと」

「へ?」


「ほら、冬休み前にも学校で変なこと起こってただろ。

今日のもそれじゃないかって」




ああ、そんなこともあったな。


自分のことでいっぱいすぎて、すっかり忘れてたけど。
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