あたしと彼と白いキャンバス
5.友達
『小早川ってなんであんな暗いの?』

『付き合い悪いしね』

『あの子うちらのグループに入れたの誰だよマジで』

『だってさあ、一学期の頃とかいつもひとりで可哀想だったじゃん』

『まあねー』

『同情っての?』

『やっさしーい』

『まあいいじゃん。いてもいなくっても困んないでしょ、あいつ』

『空気のような存在?』

『言えてるわ』





中学の頃の夢を見た。

あたしに『同情』したクラスメイトの会話を立ち聞きしたあの日から、

人間になにかを期待するのはやめた。



悪意を見るくらいなら、はじめから関わらなければいいんだ。
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