ある日モテ期がやってきた!!~愛されすぎてどうしよう~


………

……




家に帰り、すぐにベッドへと横になる。

色々、疲れたな……。


犬飼くんが倒れてしまったり、小百合ちゃんに会って「想い」を聞いたり、村雨くんとメールで言い合いをしたり、村雨くんのお家へ行ったり……1日の中で、本当に色々なことがあった。


「……村雨くん、怒ってるのかな……」


メールで言ったことや、村雨くん本人を前にして言ったこと……やっぱりそれに怒ってる?

だから別れ際、なんだか素っ気なかったのかな……。


「……はぁ」


村雨くんから渡された携帯を見つめながら、小さく息を吐く。

あ……そういえば私、携帯の電源を切ったままだったかも。


雨にいっぱい濡れちゃったから、壊れてないかな?


そんな不安を抱えながら電源を入れると……何事もなかったかのように携帯は起動して、見慣れた待ち受け画面がいつもと同じように私を迎えた。


よかった、壊れてはいないみたい。
防水機能って結構凄いんだなぁ……なんて思いながら、メールの問い合わせをする。




「え……」


そこには、村雨くんから3通のメールが届いていた。

送られてきたのはずいぶん前で……私が電源を切った、直後……?


ドキ ドキ ドキ....


不安ばかりを感じながら、それでもゆっくりとメールを開く。




【 ひどいこと言ってごめん。 】


それが、1通目。

そして、その2分後に送られてきたのは……私の知らなかった真実と、村雨くんの想い。


【 僕は、ユウ以外とはメールしてない。
ネット彼女なんて、そんなの初めから居なかったんだ。
ただ強がって、なんでも知ってる風を装って、「本当はユウだけだよ」って言うタイミングを逃して、何も言えないままにここまで来た。

今更こんなことを言っても信じてもらえないかもしれないけれど、それでも僕は、ずっとずっとユウだけを想ってた。 】


……村雨くんは、私以外とはメールしてなかったんだ。

私だけを、ずっとずっと見ていてくれたんだ……。

なのに私は、何も知らなくて……「3人の彼女と仲良くすれば」なんてメールを送って、村雨くんを傷つけてしまった……。


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