~LOVE GAME~


「そうならそうと、初めから言ってよねもうっ!」

私は軽く龍輝君の肩をペシッと叩く。

「イテッ。やめろよ」

ペチペチ叩く私にしかめっ面をするがそんなのお構い無し。
悔しさや驚き、嬉しさ色んな複雑な感情が入りみだっていた。

「痛いって、楓」

パシッと手首を掴まれ、私は俯く。
俯いた私の顔を覗き込んで、優しく言った。

「遠回りして、意地悪だったな。俺が悪かった、ごめん。だから泣くなって」

ポロポロと涙を流す私を龍輝君は困りながら、そっと頬を拭ってくれた。

「なぁ……っんっ!?」

さらに顔を覗き込んで来た龍輝君に、今度は私から唇を塞いだ。
チュッと音を立てて唇が離れる。
自分でも驚くような大胆なことをして、顔が真っ赤だ。
龍輝君も驚きと恥ずかしさか、顔が少し赤い。

「楓……?」
「……よ」
「え?」

龍輝君が首を傾げる。

「……責任。取ってよ。私のこと惚れさせた責任、取ってよね?」
「楓……」

驚いた顔をしていたが、すぐにクスッと笑う。

「もちろん、取ってやるよ。ただし、お前こそ覚悟しろよ?」
「覚悟?」
「俺以外、何も見えなくしてやるから」

意地悪な笑顔を見せて、私の唇を塞ぐ。
さっきよりも深いキス。
確信をもった愛があるキス。
気持ちの通じ合ったキスは心地よい。
今までのモヤモヤした気持ちがすべて消え去るようなそんなキスをしてくれた。







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