不器用恋愛~甘いキスをあなたと♥~


「ねぇ―、蘭……」


「ん?」



蘭と体育館のパイプ椅子を片付けているあたしたち。



「恋人の卒業式ってあんなにあっさりしたものなのかな?」




全然司先輩は悲しそうじゃなかった……



「あっさりって。あんたたち、あんなにノロケておきながら……」


「べっ、別にノロケたわけじゃ……///」



さっきの光景を思い出して、体温が一気に上昇した。



「まぁ、個人差は色々あるだろうけどさ……。あたしたちは会おうと思えば会えるじゃん?」


「……ん。」



司先輩もそう言ってた。



「でもさ、クラスメイトは少なくとも何人かは県外で会えなくなるからね……。だから今日はクラスメイトと居たいんじゃないのかな?」


「……そうだよね」



蘭は大人だ……



しっかりしてるし、夏樹先輩をちゃんと理解して優しい。


あたしは心が狭いのかな……?



クラスメイトのところに、何も迷わず走っていった司先輩。



それが悲しいなんて……



「あっ、でもハメをはずしすぎて、浮気したら絞め殺すけどね♪」



やっぱりさっきの一つ前言撤回。


優しいんじゃなくて、蘭は恐ろしく怖いです……




< 337 / 349 >

この作品をシェア

pagetop