True colors
私は普段あまり誰もいない音楽室や家庭科室がある学校の一番上の階まで走り膝を抱えて座った。


岸田君への罪悪感やかばってくれた大輝をほっといて一人逃げてきたこと、最近起きたいろいろなことが頭を巡りうずくまったままその場から動けなくなった。

ボーっと考えこんでうずくまっていたらこっちに向かって足音がしていることに全然気付かなかった。


「みぃ〜つけた〜!」


その声に一瞬ビクッとした。


「海君…………。」


海君は私の隣に座り、何も言わずにただ本を読んでいた。


すごく居心地が良かった。

「海君……私ってばなんか昔の嫌なこと思い出してつい逃げてきちゃったよ。」

「…昔の嫌な事って?」


話して楽になりたかったのか、私は海君に昔の事を話した。




< 46 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop