死に神ゲーム
side・・・masato
最近、雫がどことなく元気がない。
と、いうわけで気分転換に遊園地に半ば騙して連れ出したら、まさかの入れない。
理由が貸し切りって・・・。
まあ、結局入れたからいーんだけどさ。
「フリーパス買ってくるよ」
「うん」
列んでフリーパスを二つ分買って雫のもとに戻ろうとした時だった。
――――ドンッ
「きゃっ」
「あっ、と」
人混みを縫うように進んでいた俺は女の子にぶつかってしまった。
咄嗟に腕を掴んだから、女の子が倒れることはなかったけど。
「ごめんな、大丈夫?」
「はい、大丈夫ですわ」
ですわ?お嬢様?
改めて明らかに自分より年下の女の子を見れば、女優みたいに可愛らしい女の子だった。
いや、俺は雫一筋だ。
「ぶつかってしまい、申し訳ありません」
「ん、いーよ。こっちこそゴメンね」
「紫翠ちゃーん?」
「それじゃあ、ツレが呼んでますので。本当にすみませんでした」
綺麗にお辞儀をして、彼氏らしき男の子のもとへと髪を揺らして紫翠ちゃんと呼ばれた子は行ってしまった。
うん・・・雫があんな感じになったら、悶絶するほど可愛い。