青空のむこうに~バスケに恋して~
act.15 出された条件


「ねぇ。ちょっと」


自転車置き場に自転車を停めてると、後ろから声をかけられた。

カギをかけて振り返ると、待ってましたって顔のカズミ達がいる。


紀子も好子もだけどカズミと一緒じゃないと動けないのかなぁ…。


「なに?」


朝から嫌なのにからまれたなっていうウンザリ感。


「葉村さん、どういう手を使って男子部のマネージャーになったわけ?」

「希望者他にいたのに、募集してないからって断られたんだよ?」


いや、知らないし。

私は誘われたから入っただけだもん。


「…私は、虎鉄に誘われたから行っただけだし」

「桐沢君が次期キャプテンだからっていう理由で豊川さんと仲よくしてるんでしょ?」

「あれだけイタイ目にあったってのに、まだこりてないわけ?」


あー、三人同時に言わないでよ…。

私は聖徳太子みたいに十人同時に話されても、聞き分ける事なんかできないんだからね。


「桐沢君にいやらしい手を使ったんじゃないの?」

「言えてる~。カラダ売ったとか」

「サイアク」


次から次へと出てくるとんでもない発想力に私はあきれてため息をついた。




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