青空のむこうに~バスケに恋して~
act.17 サヨナラメール


決勝戦を見に来るのは1年ぶり。

私はマホと一緒に部員専用の応援席に座った。

でも、一番よく見えるとこ。


次の試合からはレギュラーメンバーと一緒にベンチのほうに座れる。


「ドキドキするね~」

「うんうん」


応援用のメガホンを片手に、マホが緊張したような顔つきで言う。

コートを見てると、去年の事を思い出す。


いつかこの夢の舞台に立ちたかったっていう絶望でいっぱいだった1年前。

今、こうしてここに穏やかな気持ちで座っていられるのは不思議な感じ。


「ねね、昨日のたい焼きどうだった?」

「もちチーズ、嬉しそうに食べてたよ」

「半分こしなかったの?」

「半分こ何で知ってるの?」


マホに半分こして食べた事を聞かれて私はちょっと驚いた。


「え?半分こしたの?」

「したよ。私は全部食べていいよって言ったんだけど…」

「そうじゃなくて…って、もしかして知らないの?」


何が…?


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