青空のむこうに~バスケに恋して~
転がっていたボールを手にして、私はスリーポイントシュートを放つ。
弧を描いてボールはスパッとネットを通過する。
「へぇー。経験者でもないのにやるじゃん」
「え…?」
急に声がして振り返ると、そこに背の高い男子がいた。
「…あ、桐沢君…」
「俺の名前知ってた?ああ、そっか。君、マサシの彼女だっけ?」
「…一応…」
1年で唯一ベンチ入りをしている桐沢君だった。
桐沢君は私がシュートをしたボールを拾い上げると、指の上に乗せてクルクルとまわした。