ループ・ループ

傍ら

ほっとした気持ち。
残念な気持ち。


そんなものに揺らされて、もう二年になる。水谷くん、と呼び掛けると、常に真っ黒な笑顔を私に向けてくれるけど。


いつものデートの帰り道。
私たちはだらだらと心の幅を広げていく。
終わりの見当たらない終着点と、空いた右手の行き先が、私にはわからない。
もしかしたら水谷くんは知っているのかもしれない。
そう考えて、口をつぐんだ。

今日の帰りは水谷くんの家に行く。
デートの後はいつもそう。
あ、でもなんもしてないよ?
水谷くんは決して手を出して来ないから。
夜中まで喋って、お泊まりして、次の朝はバイバイする。
そして、毎回決心する。
もう会わない!って。



その、繰り返し。
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