また、明日~天使の翼を持つキミへ~
翌朝。
親太郎と教室に入ると、バンド仲間の3人が親太郎の机に集まっていた。
みんなそれぞれクラスが違うけれど。
今日は、親太郎の復活を見に来てくれたんだろう。
「おっせぇよ!!」
親太郎の机にお尻を乗せていた拓海くんが、親太郎の顔を見るなり立ち上がった。
親太郎はというと、ポカンと間抜け顔。
「どうしたんだよ、みんなそろって。朝から集まるなんて珍しいじゃん」
「珍しいって。それはおまえの方だろ?」
高橋くんが眉を寄せた。
「おまえが風邪なんて、今までに聞いた事ないんですけど」
「あのなぁ、俺だって人間だぞ? 生きてりゃ、風邪ぐらいひくだろ」
親太郎が言うと、『まぁ、確かに?』と、高橋くんが笑った。
「それはそうと。 楽譜見たか?」
「おー、昨日菜緒から預かった。サンキューな」
親太郎は、鞄の中から楽譜を取り出し鼻歌を歌った。
「さすが、親太郎。楽譜見ただけで歌えるなんて」
目を輝かせたのは、叶くんだ。
相変わらず頬を赤くし、パタパタとシッポを振って喜んでいた。
「今日の放課後は練習できるな」
拓海くんがニッと笑う。
「田沢も、練習付き合えるだろ?」
拓海くんに聞かれ、あたしは『もちろん』と頷いた。