また、明日~天使の翼を持つキミへ~


ふと……。


なにやら視線を感じ、顔を上げた。


すると、同室の男の子がこちらを見ていた。


上半身を起こし、下半身だけ布団をかぶっている。




「それ……めっちゃ辛いよね」



男の子の口から出た声は、まだ声変わりをしていなかった。


真っすぐにこちらを見ている。



「僕もわかるよ、その辛さ」



親太郎が袋から顔を上げ、彼の方を向いた。


親太郎の顔色は青白い。


「お兄さんと、一緒なんだ」


「………」


「僕も、お兄さんと同じ病気。もう3年になる」



< 95 / 366 >

この作品をシェア

pagetop