狂った愛情
ふたりは・・
今日同じクラスの男子と話していたら、急に引き離されて、男子は殴られた。
殴ったのは私の彼氏、章汰。
普段は穏やかなんだけど……

そう、彼は私が他の男子と話すのが許せない、嫉妬魔で束縛魔でもあった。
私達が付き合い始めたのは、四月。
他クラスであんまし面識はなかったんだけど、なぜか私のメアドを知っていた彼からのメールは結構あった。
それを機会に一緒に遊ぶときもあった。
たまにいろんな人から言われたんだ。「気を付けて」と。
どうゆう意味か全く分からなかった。
普通に章汰は楽しい存在だったから。

そんな章汰からの告白。
人生初の告白で嬉しかったし、少し想いを寄せていた私は即座にOKした。
月に一度はデートしたり、一緒に登下校したり……
その時間は最高に楽しかった。

なぜ彼が豹変してしまったのかは分からない。
けどまず思ったのが、別れたいっていう一言。

ある日、近所の小さな公園で、無邪気にブランコをこぐ章汰に、

「ゴメン。私、束縛はしてほしくないんだ。別れよ?」

別れを告げた。
さっきの笑顔から一転、

「亜実、ゴメン。俺……やりすぎた」

反省する彼。
続けて、

「やりなおしたい」

すぐに言葉を発した。
私は、

「ゴメン。今日は帰るね」

ブランコを降りて帰ろうとしたけど、

「送ってくよ」

意地でも一緒に居ようとする彼。

「ううん。今日は一人にさせて」

私は走って帰った。
その日からさらに不安になった。
やっぱり不安は的中した。

ある学校の日の移動教室。
彼は他クラスだからそんなに会わないからこの時が一番幸せ。
私はいつめんの三人で歩いていた。
話題が尽きず、すっごく楽しくって……
だけど、私は会話を止める。

「どぉしたの?亜実?」

視線を背後から感じた。
私が振り返るとまずそうだった。
いつめんの一人に、

「後ろ、誰か居る……?」

コソッと頼んだ。
後ろをみて私に、

「亜実の彼氏……」

そう言った。
やっぱり……だよね。
私は大きなため息をついた。

移動教室先でいつめんに相談した。
けれど、あまりいい結果のないアドバイスだった。
さらに不安になった。
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