望美 ~ママ、離れないわよ。私は絶対に!~
「なんですって!?」
それを聞いて唖然となる政子。


日本の石油会の会長が行方不明になれば、それこそ大問題である。
しかも政子を陰ながら応援してくれていた理解者であったのに……。



「まだ、手掛かりは見つかってないんだ……。マスコミにはバレてないから大丈夫だけど…。」
と義昭。


「そんな……。」

政子は悲しい顔をしている。


無理もないだろう。尊敬していた義郎氏までもが政子が見た悪夢の通りに望美の毒牙に架かってしまうとなるともう決して解くことなど出来ぬ『呪い』をかけられてしまったと思う他ないからである。
義昭は、
「大丈夫だ!!
きっとすぐ父さんは見つかるから、だから心配するな!!」
とこれ以上政子に心配をかけまいと優しく告げたのだった。



(お父様、どうか、どうか御無事でいてください……。)


政子にはもう、義郎の身を案じて、生還を祈ることしかできませんでした。
この時点で既にただ者じゃない『望美』の魔力をヒシヒシと感じていたのです。
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