図書室でキミと~秘密事は図書室で~


結局は中川さんが折れて、俺が払った。

レストランを予約している時間まで、あと30分くらいあるから、ゲームセンターに立ち寄る。


ちょっとだけ…思い出作り?



彼女の手を引き、やってきたのは……

プリクラ。


中川さんと、撮ってみたかったんだよね。



すると、機械をみるなり急に表情が暗くなる中川さん。

……いやだったかな?

そう思った俺は、聞いてみた。




「ぃ、いぇ!!イヤじゃないです…

でも…あたしなんかと撮っても楽しくないですし……」



笑いながら


でも、決して笑顔とはいえない表情をしながら言う中川さんに

胸が痛くなった。



…それに

‘あたし“なんか”’



その言葉がひっかかる。



なんでそんなに、自分を抑え込むんだ。

もっと自信を持っていいのに…




問いただすと、返ってきたのは

悲しいものだった。



「自信なんて、あたしはこれから一生…
…取り戻すことなんてできないんです。」




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