となりの空席


「た、タケル!?」

タケルがものすごい速さで走ってくる



「タケル!?学校は!?」


「コレ...」

「え?」


タケルがくれたのは綺麗な十字架のネックレス

「俺は、お前の好きなものとかわかんねーから...それでガマンしろ」

タケル...顔真っ赤...


「うん。大切に、大切にするね」


涙はもう出ないと思ったのに止まらない


「お前、俺らのこと忘れんなよ!!」

「元気でな!!」




「うん...絶対忘れないよ」


そう言ってドアを閉めた




車が動き出して
やがてタケルも史織も見えなくなった





一粒


涙が頬をつたった


< 90 / 220 >

この作品をシェア

pagetop