Simply
積み上げられた資料の山の間に入る

長らく使われてなさそうなモップが片隅でいまにも倒れそうに傾いている

アタシは音を立てないように、カバンを抱いて身を小さくした



壁一枚向こう側から聞こえてくる声

「かずま、いるなら開けてよ」


答えないかずまに小沢さんは「一人で何してたの?」と疑問を口にする


「ちょっと、考え事」


アタシの靴はうまく隠れてるかな??

そんな事を考える



アタシの存在がそこにあったことを示す、アタシのシンデレラパンプス


驚いたおかげで涙がひっこんだ……


小沢さんをつれて、早く出て行ってくれないかな

アタシはもう帰らなくちゃ


早く……行って



「ねえ、かずまと…あの女は知り合いなの?」

「あの女?」

「教育実習で来てる、女」



アタシの事?

アタシは思わず口をおさえて動揺をおさえた


「あの女がはじめて学校に来た日、助けてたでしょ?」

かずまは答えずに話を聞いているみたい


「かずまがそんなことするなんて珍しくない?」


沈黙……


と、とにかく、そういう微妙な会話するならなおさら…アタシのいないところで、して

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