♦...おひさまに恋して..
部活も終わって、ジャージから制服に。

ダルく来ていたジャージも、
ぴしっとたたんでスクバの中へ。

ふと窓の外を見ると、
なんだか曇り空。夏の雨って..嫌い。
なんだか胸がキュッとなった。

「渉、バイバイ!」

あ、結奈達・・。

「うん。お疲れ様ー!」

彼氏とお出かけ・・?

なんか可愛い・・(笑

自然と頬が上がるのがわかった・・

「さてと・・」

帰ろうと思って、
もう一度何気なく外を見る。

げ・・・雨じゃん・・。
さっき嫌いって言ったから、
空が私の好きなものを雲で隠してしまったらしい..。

幸いにも折り畳み傘があった。
結奈も帰っちゃったし・・、
一人で帰る気満々!!

校門をでると、歩道橋を屋根にして
空を見上げる拓真...

夏の雨・・
好きかもしれない・・。


「たっ・・く・・ま・・!」

現実を目の当たりにした私は
驚きに声が出なかった。

夏の雨、
やっぱり嫌い。
ダイキライ。

拓真..傘忘れたの?
だから、雨宿り..?

そんな声もでない。

傘をさして駆け寄ってきた女の子。
ウチの制服じゃない..。
多分隣の学校。

拓真はアタシには見せてくれない笑顔で、
その子に手を振った。
その子の傘に当たり前のように入って、
当たり前のように、頭を撫でた。


何も・・できなかった・・。


空が泣いた日。
私も泣いた。
その日、お日様が顔を出してくれるコトは
なかった。

ずっとずっと...
泣いてた..



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