Voice〜彼の声〜

彼と榊




「まだ時間かかるから、先に帰っていいよ」


今日で長かった日直当番も終わりを迎える。


放課後、日誌を書く私を愛美は本を読みながら待ってくれている。


「いいよ。どうせ帰っても暇だし。それにまた倒れられたら嫌だしね」


「またその話する?倒れたのは5日も前のことでしょ?もう大丈夫だよ」


心配しているのか、からかっているのか分からない愛美に困った表情を見せる。



「それより榊は?あいつも日直でしょ?」


人の考えを無視してすでに話が変わっている。


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