Voice〜彼の声〜

｢な、なに？｣


驚く私を余所に榊は｢シッ！｣と口に人差し指をあてた。


そしてニコッと笑って、キスをしてきた。



｢んっ…｣


一瞬、キスされビクッとしてしまった。



榊は最近、よくキスをしてくる。


榊のキスが終わったかと思うと、榊は笑って私を見た。



｢顔、真っ赤で可愛い｣


ヘラっと笑う榊が私には可愛く見える。



｢…学校でキスしないでよ｣


ちょっと反抗してみる。


｢どうして？｣


｢恥ずかしいから…｣


｢俺はいいのに｣


そう言って教室へと歩き出した。



私が創ちゃんのことを打ち明け、榊を好きって認めた時から、榊は変わった。



多分、私が色々と気を遣わせていたせいだ。


だからって学校でキスしていいことにはならないよ。