Voice〜彼の声〜



私は嬉しくて嬉しくて、頷くしか出来なかった。


「良かった〜…断られたらどうしようかと思った」


安堵の表情を浮かべ、ははっと笑った。



あれから私は短期大学を卒業した。



ずっと傍にいてくれた山下との間に新しい命を授かり、私は産みたいと言った。



山下は「いいよ」って嬉しそうに言ってくれた。



山下はまだ学生だったから、結婚はしないまま同棲だけしていた。



「藍と私を幸せにしてね」


「当たり前だろ!」


そう言って泣き続ける私と笑顔の藍を強く、優しく、抱きしめてくれた。



創ちゃん…。


私ね、今すごく幸せ…。


生きてて良かった。


そう思えるんだ。






END
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