Voice〜彼の声〜



「……………嫌がらせ?」


怪訝な顔つきで言葉を発する黒崎くん。


「決してそんなつもりはありません」



涼しい風が吹く屋上。


私は黒崎くんにお弁当を作ってきた。



ただ、私の手作りは失敗策ばかり。



「一応、上手く出来たのを選んだんだよ?」



「…これは美味い」


「本当!?」


焦げた卵焼きを指差す。


卵焼きは見た目は別として、味付けには自信があったから、ちょっと嬉しかった。



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