終電、

*過去







私も、修さんと似たような感じだった。




違うのは、"今"も"過去"も、両方話したがらないということ。








佐伯と出逢ったのは中学一年のとき。





夜抜け出して公園でキャッチボールをしたり。



地元の夏祭りにいったり。



付き合い方なんてわからなかったけど、一緒にいられれば、それで幸せだった。





手も繋いでない。
キスもしてない。



それでも、ずっと忘れられない、元彼になった。




あれが「本気」って言うんだ。


佐伯以上に好きになれる人なんて、この先絶対にいないとさえ思った。








佐伯と別れたとき約束を交わしてから、私は5人の人と付き合った。







正直、誰でもよかった。






佐伯じゃなきゃ、意味がない。

でも、佐伯とは戻れないから。





私に彼氏にいるとき、佐伯は彼女をつくっていいルールだったけど。


佐伯に彼女ができてもいいなんてこれっぽっちも思ってなかったけど。







ただ、代わりを探してた。


告白された人とは顔がよければ誰とでも付き合った。





手を繋ぐのも、抱きしめられるのも、キスも、無意味だと思った。



これが佐伯だったら…

って考えてる自分が、いつもいるんだから。




浮気だってした。

友達が好きな先輩とも平気で付き合えた。








でも、自分からは告白しない。





その約束だけは守っていた。










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