ちっちゃな体のおっきな愛

最悪な展開

あたしのせいだ…。

明日、先輩達とのラスト・ゲームなのに…。

あたしは、知ってる。

明日のために、連がどれだけ練習を頑張ってきたか。

全ては、先輩達と、最後にすばらしい試合をするため…。

その場を、奪ってしまうことになるなんて…。

あたしのせいだ…。

あの時、あたしが頼まれていなければ…ううん、あたしが、かごをちゃんと地面に置いてれば、良かったこと。

そして何より、連があたしの下敷きにならなければ…。

後悔が次々と押し寄せる。

胸が押しつぶされそう。

何より、あたしのせいでけがさせてしまったことが。

あたしは、練習着の裾をギュッと掴んだ。

こうでもしないと、涙が溢れて来そうだったから。

今、泣きたいのは、あたしじゃない。

連だ。

 (泣いちゃ、ダメ…。)

でも、そんな気持ちも連にはお見通しで…。

 「…泣くな。」

 「な、いてないもん…っ」

言葉で強がってはいるものの、声は驚くほど震えていた。
 
 「俺は、こんなんでプレーは乱れないから。大丈夫だから。…だから、泣くな。」

連はそう言いながら、あたしの頭をクシャクシャと撫でる。

その瞬間、涙が瞳から溢れてきた。

 「ばか、泣くなって、いったろ…。」

 「うん…ごめっ…ひっく…。」

 「ひな、こっち向いてみ??」

言われるままに、顔を上げる。

ベッドに座ってるけど、あたしは見あげないと、連をちゃんと見れない。

こう見ると、ホントに綺麗な顔。

あたし、連の顔ちゃんと見た事あんまりなかったな…。

こんな顔立ちだったなんて、知らなかった。

好きになったところは、顔じゃないってことか…。

 「うにゅっ!?」

なんて考えてたら、いきなり連に、ほっぺたをつねられた。

 「ばーか。…プッ、変な顔。」

い、い、今…鼻で笑われたぁぁ!!

 「もーっ、ばかにしないで!!」

あたしは、ぷーっと頬を膨らませた。

 「えいっ!」

あたしも、連のほっぺたをつねった。

 「…あはは、おっかしぃ~。」

 「…やっと、笑ったな。」

 「え…?」

驚いて、連の方を見る。
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