宵闇
サヨナラ、アナタ。
彼に・・・逢いに行った。

自分自身の気持ちを確かめたくて・・・。

散々迷ったけど、アタシの気持ちにケリをつけたかった。

現実を自分の目で知りたかった。

アタシの気持ちも

そのヒトの気持ちも・・・

全部受け入れたかった。

未練がましいのもわかってた。

なにやってんだろう?とも思った。

ケリをつけるには、現実を受け入れる必要があったから・・・・。

逢いに行った時、彼は驚いてもいたけれど、

『なんとなく来ると思っていた。』

そういって、部屋に入れてくれた。

他愛のない話、近況、軽く話してから・・・・

『もうキモチはお互いに無理なのかな?』そう聞いた。

答えはわかってる。

『アナタには気が付かせてもらったこと感謝してる。だけど、もう、アナタの気持ちには答えられない。』

『そっか。これで諦めがつくよ』

送ってもらう車の中で、くだらないことや真面目な話・・・色々な話をした。

帰り際・・・

『・・・愛してたよ。』

それ聞いただけで、もう無理なんだって現実を受け入れなくてはならなかった。

ここが分かれ道。お互いに別々の道を歩き出さなくちゃならないんだと。

今日、アナタに逢ってよかったと思う。

逢わなかったらずっとぐずぐずしていたままだったから。

きっと受け入れようとしなかっただろう。

前を見るんじゃなくて、過去ばっかり見ててそこでしか動かなくなっちゃってただろう。

それになんとなくわかってたんだ・・・。

アタシの好きは・・・やっぱり違うスキだったということ。

恋愛感情ではなくなっていたということ。

離れる前からわかってたけど見ようとしなかったこと。

悔しかっただけだったってこと。

逢って、ようやくわかった。

帰り、車の中から手を振ってくれたアナタを見送るのは、今日で最後。

触れた唇も・・・手も・・・今日が最後。

帰ってきて・・・アタシは泣かなかった。

そして・・

アナタに出せないで書いていた手紙を・・・・ひとつひとつ小さく破って、ゴミ箱に捨てた。



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