雪の足跡。
目を覚ますと、私は先程覗いていた家の中に居た。

「お目覚めかい?」

声を辿ると、フワフワの白髭をはやした爺さんが暖炉の傍に座り私を見ていた。

「何か食べ物が欲しいわ」

私が白髭の爺さんにそう言うと、温かいミルクにパンを染み込ませてくれた。

少しミルクが熱くて、食べにくかったけれど、私は文句も言わず食べた。

「もう一眠りするわ」

私がまた白髭の爺さんにそう言うと、暖炉の傍にベッドを置いてくれた。

「ゆっくりおやすみ」

爺さんは私を撫でてそう言うと、コンコンと音を立てながら歩いて、カンコンと音を立てながら何かを造りはじめた。

何か面白いことが始まるのかしら?と思ったけれど、カンコンカンコンと音が鳴るだけだった。

その音を聞きながら、私はもう一眠りすることにした。





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